家を建てるときの一番の要望には皆さん強い思い入れがあります。
いま設計している住宅のお施主さんは兎にも角にも日当たりが一番大事とおっしゃいます。
自宅の建て替えなので、敷地のどこに家を建てれば部屋のどこまで日差しが入るのかご自身で検証し
庭の奥行きは何メートル、庇は付けない、と具体的な指定がありました。
ここまでされている方は初めてですが、日当たりが設計のポイントになることは多いと思います。
日当たりの条件は敷地の環境にもよりますが、
部屋が日陰になる要因は庭の狭さや隣の建物の高さだけではありません。
1階に居間があるお宅の場合は、実は2階のベランダや庇が原因で暗くなっていることがあります。
また外構の樹木や車庫の屋根が陽を遮ってしまうこともあります。
自宅が暗いからと言ってすぐに建て替えられませんが、
日陰になっている原因次第ではリフォームで改善できるかもしれません。
・物干し場を見直してベランダを縮小する(一番陽が当たる場所は自分のスペースに)
・庇を短くして、出し入れできるオーニングを付ける
・車庫の屋根を半透明のものに変える
などなど
普段はいつの間にか移動している影ですが、
天気の良い日にじっくり影と影の正体を観察すると役立つ発見があるかもしれません。