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出窓に腰掛けて過ごす時間

出窓に腰掛けて過ごす時間

私は名古屋の緑豊かな団地で育ちました。

近くに雑木林や草っ原があり外で遊び回る子供でした。そんな団地も小学生高学年になる頃には少しずつ周辺の開発が進み、まわりの空き地はマンションに変わっていきました。中学生の時に我が家は団地の目の前にできたマンションに引越しました。それまでは妹と部屋を共有していましたが、新しい家には自分の個室があり、部屋に出窓があるのが嬉しかったのを覚えています。秋に陽が入ってポカポカの出窓に上って、本を読んだり絵を描いたりするのは至福の時間でした。もし自分の家をつくることがあったら…またそんな時間を過ごすために出窓を作りたいと思っています。


家に出窓をつくる目的はいろいろと考えられます。出窓は一定の条件を満たすと床面積に入れなくても済むため、面積の制限内できるだけ空間を広くしたい時につくることがあります。

建築基準法に定められている床面積に入れなくてよい出窓の条件は、

  • ・床面から出窓の下端までの高さが30cm以上であること
  • ・周囲の外壁面から50cm以上突出していないこと
  • ・見付面積の1/2以上が窓であること

床面積の制限が厳しい建物では上記の出窓を上手く利用して空間を広げ、面積に余裕があれば出窓の下をちょっとした収納にしてスペースを有効活用するのもよいと思います。

これまでに設計した住宅の出窓を3つ紹介します。

出窓例1−1
E_House リビング・ダイニング

池の護岸の上に50cmめいいっぱい跳ね出しています。幅もあるので部屋がずいぶん広くなりました。窓を開ければ魚釣りもできるね!と建主と話していました。

出窓例1−2
E_House キッチン

正面の窓も護岸の上に跳ね出していて、キッチンカウンターの一部として利用しています。カウンター下を収納棚にしているので床面積不算入にはなりません。

出窓例2
M_House

狭小地でベランダを作れないため、窓を開けて洗濯物を干すスペースにしています。窓の外は隣家の壁なので眺望や採光は望めませんが、洗濯物を干していないときは少しでも部屋を広くするという目的もあります。


名古屋のマンションには今も両親が住んでいますが、使っていない部屋の出窓は西陽が入ると暑いのでカーテンを閉めたままになり、結露も酷く汚れてしまいました。出窓が物置になっている状態が外から見える家って時々ありますよね。せっかくつくるのであれば、きれいに楽しく使える出窓にしたいですね。